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2015.12.19

実行するビジネス・パーソンは何が違うか
⑤モチベーションは成果に直結する!?

モチベーションを高く持つことが、仕事の成功への近道だとはよく言われる。当然、情熱のあるリーダーのほうが、成果が生まれるだろう。情熱があれば、多少の障害や問題を乗り越えて行動するだろうし、行動すれば結果はついてくる(はず)。さて実際は?

リーダーを実行へと駆り立てるもののひとつとして、「モチベーション・情熱」の有無はよく言われるものだ。

当然、情熱のあるリーダーのほうが、成果が生まれるだろう。情熱があれば、多少の障害や問題を乗り越えて行動するだろうし、行動すれば結果はついてくる(はず)。

何よりモチベーションや情熱のあるリーダーと仕事をしたいとメンバーは思うだろうし、そうしたリーダーのもとへ人も集まるだろう。

そもそも、リーダーにもかかわらず「モチベーションも低く、情熱もない」と言う人が本当にいるのかと疑問もあるが(モチベーションが高く情熱があるからリーダーに任命されたのではないか!?)、調査結果を見てみよう。

結果は、期待に反することになった。

1000人の大都市圏に在住の役職を持ったビジネス・パーソンのうち、「十分にある」「十分ではないがある」を足しても約64%しかいない。

つまり、約36%(3人にひとり)のリーダーは、「モチベーション・情熱がない」ということになる。

この状態で業績が上がる方が不思議とも言えるし、そもそも仕事へのモチベーションや情熱がないところに、戦略や戦術を考えろと言ったところで、何も生まれないだろうと想像がつく。

常識的に考えれば、モチベーションや情熱と結果は強い関連があるのではないかと予測できるし、本当は戦略の良し悪しや市場よりも、このリーダーの気持ちの方が、業績の差となって表れるのではないかと思う人がいてもおかしくないし、少なくとも大きな関連性があると考えるだろう。

実際に、業績とモチベーション・情熱の関連を見てみると、これまた意に反した結果となっていた。

実は増収増益組織でも、約27%のリーダーは、自分のモチベーション・情熱は「ない」と答えている。

「複数年増収増益を継続している」と答えた1割のビジネス・パーソンにおいては、「十分にある」という答えが傑出してはいるものの、それ以外は、業績の良し悪しとモチベーション・情熱の高さは、大きな関連があるとは言えない結果だった。

とはいえ、業績の良し悪しの間で、「十分にある」「十分ではないがある」と答えた人数には10%程度の差があったので、完全に無関係とは言えないが、少なくとも最も大きな要因であると言える数字ではない。当初予想していた、モチベーション・情熱と業績は、密接に関連するとは言えない結果であった。

これはどういうことだろうか。

部下やチームメンバーに対する評価を見てみると、前述した、自分自身の行動力・実行力の評価と同様のことがうかがえた。

というのは、この「モチベーション・情熱」に関しても、実は、自分のことに関しては、「モチベーション・情熱」はあると思っているのだが、部下やチームメンバーに関しては、「ない」と思っていた。

「モチベーション・情熱は、自分にはあるのだが、チームメンバーにないから成果が出ない」というわけだ。

おそらくこの結果は、裏を返せば(チームメンバーに対して、上司のモチベーション・情熱はあるか?という質問を投げかけた場合)、同じような結果が出るのではないか。

つまり、部下やチームメンバーにモチベーション・情熱はないと答えたチームほど、上司に対しても同じような考えになっているのだろう。

結果の出ないリーダーには、「他責(人や環境のせいにする)」の傾向があるのは前述したとおりだが、モチベーション・情熱の自己評価が実績とは徹底的な差がないという事実はどう説明できるのだろうか。

同じ調査結果を分析してみると、モチベーション・情熱の有無は、役割意識の有無、実行力の自己評価、アイデアの質、量の違い、というそれぞれの項目とは密接に関連していることはわかっている。

つまり、これらの各項目のうちひとつだけ取り出しても、実勢と決定的な差が生まれているわけではなく、これらすべての項目が少しずつ関連し、関与し、やがては大きな差となっていると言える

役割意識の高さ(自分のやるべきことの領域が明確)がモチベーション・情熱を生み、そのモチベーションが、質量ともに高いレベルの戦略や企画、アイデアを生み、それを確実に実行していく。そして高い行動力・実行力が結果を生み出していく。

これらのコンピテンシーは、決してそれ単独で存在しても決定的な意味があるわけでもなく、プロセスとなってはじめて機能するものだと言えるのだろう。


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