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2016.02.24

実行するビジネス・パーソンは何が違うか
⑩会議を乗り切ることは実行か。

会議をどう乗り切るか、ばかりに注力するリーダーは少なくない。会議を乗り切るのは実行なのだろうか。

戦略やプロジェクトの実行を考えるとき、「仕事」自体のゴールとは何かというテーマも、よく議題にはのぼるテーマではある。

ドラッカー風に言えば、仕事とは顧客を創造することだということになるのだろうが、簡単に顧客を創造できるビジネス・パーソンは多くない。

受注産業を生業とする企業の営業マンは、日々顧客の創造を行っているわけだが、多くのビジネス・パーソンは日常のルーティンワークを少しずつ改善しながら、数字としての結果を残そうとしている。

新規の顧客に提案する、新しくチャネルを開拓する、新しいサービスをつくる、業務プロセスを改善する、顧客を創造する方法はさまざまだが、現実問題として、顧客を創造する(同じ会社でも他部門や他担当者の場合もある)以外にビジネスを成長させ、売上数字という結果を伸ばす方法はない。

当然組織の中には、役割分担があり、それぞれの仕事をしているわけだが、それでもその仕事の向かう先、最終目的は「顧客を創造する」ことだ。

しかし、なぜかそうはならないマネージャーが多い。日々、ルーティンの仕事に邁進するスタッフを横目に、出てきた数字とにらめっこしている。

スプレッドシートの中に、新しい顧客はいないし、PCの中にもいないにもかかわらず。

では、何に関心があるかといえば、チームの生み出す成果そのもの(評価として顧客満足を得た、利益が増え新しいことができる、賞与を増やす)ではなく、その結果によって、どのような評価をされるか、(もっと俗的に言えば)次の会議をどう乗り切るか、ということになるのだろう。残念ながら、こういうことにしか興味ないマネージャーが少なからず存在する。

会議の目的とは、情報を双方向に伝達・共有すること、意思決定するためにアイデアを広げたり集約したりすること、一体感を持ちモチベーションを上げること、この3つが大きなポイントと言えるのだが、組織によっては、評価、裁定が行われる場合がある。

効果的な会議、意思決定の仕組みをつくるという観点からいけば、まったくナンセンスな話なのだが、これは意外にバカにできないことで、会議に対する緊張感はこれが原因で生まれることが多い。

会議での発表内容によって、自分の事業の把握状況、関与状況、市場の状況などを判断されることがあり、結果、感情的な要素が大きくなってしまい、場合によっては、成績数字よりも重要になることもある。

というよりも、数字の持つ意味が変わってくる。

数字というのは、需要と供給の法則から言えば、ある意味そのチーム、リーダーの評価そのものだ。

よって、その数字になってしまった明らかな原因があるにもかかわらず、全体を取り仕切るリーダーが独裁的であればあるほど、評価軸はそのリーダーの気分によって変わってしまい、ビジネスにおける目的(顧客を創造すること?)からかけ離れてしまうことが多い。

本来のポテンシャルからいけば、10億を目指さなければならないにもかかわらず、9億でいいと会議で認められれば、9億でいいのだ。

そしてその会議を乗り切ったリーダーは、ガッツポーズとともに、「9億でOK」の指示をメンバーに出し、わけのわからない安堵感に全員が浸る。

こうした文化の中では、自分自身の成長と顧客貢献を考え、自身で責任を持ち、仕事に取り組むことは相当難しいだろう。

業績が悪くなったり、市場拡大がおぼつかなくなってくると、会議ばかりが気になり、顧客への本質的なアプローチは二の次三の次になってしまい、さらに悪循環にはまるという組織は少なくない。


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